Repeat item

[BOBBI BROWN]SKIN NOURISH MASK

顔を洗った直後からしゅわしゅわ〜と水分が抜けていくのが目に見えるんじゃないかというくらい水分保持能力が低い肌。粉をふくというより内側で突っ張るかんじ。肌の薄さを指摘されて、そうだったのかーと納得、おすすめされたこのクリームをなんとなく買ってみようかなと使い始めた日から欠かしたことはありません。それくらいなくてはならないアイテム。
洗顔後すぐに顔にぱぱっと伸ばします。はじめはボンドっぽくてわりともったりしているのであまり伸びませんが、適当に顔の何箇所かに置きます。ムラになっているくらいで大丈夫。5分くらいたってから馴染ませようかなと肌に触れるとスルッと伸びます。お風呂上がりについ保湿を後回しにして季節関係なく顔がパリパリになる人へは心からおすすめしたい!顔洗ってすぐ化粧水つけてもすぐ乾いちゃってああ早く乳液つけないと〜と思っていたのが、乳液つけるのを忘れるくらいこのクリームの保湿力が高い。気づいたら「あれっ化粧水までしかつけてない!フタしてないけどパリパリしてない!」と感動します。もう何本目かなあ、迷わずに前のめりでリピート。
 

[BOBBI BROWN]INTENSIVE SKIN SERUM FOUNDATION

別名:漢方ファンデ。カバー力重視だったのを別にいっかにシフトしたタイミングで使ってみたら適度なカバー力と肌が疲れないことに加え、色が良すぎて他を試すこともなくリピート。明るい色を選んでも時間が経つとなんか黄色く見えるという悩みを吹き飛ばしてくれたBOBBI、0.5のウォームポーセリンです。このファンデに変えた日に職場の蛍光灯のトイレで鏡を見たらいつもと違う!この光の下でも肌の調子が良さそうに見える!と威力にびっくり。それからパッケージがとにかく好き。唯一の難点といえば黒い瓶なので中身の容量が見えず、なくなりそうなことに突然気づくこと。スポイト部分も劣化しないし、パッケージも見飽きないし、ずっとなくなる気がしなかったよ。でもなくなったら困るので即購入。ちなみに楽天に公式SHOPが出来たのでそこで買ってます。化粧品は安く買うべきではないと思っているので、公式サイトか百貨店で。何かあってほしくないけどどこで買うかも自己責任だし、ほんの少しの安さより結局は安心出来るから。
 

[Lebel]Moii balm work in forest

髪の毛だけではなく手肌にも使えるこのバーム。ヘアサロンで仕上げに美容師さんが使ってくれたのがきっかけで購入しました。私の髪の毛は細くて柔らかいのでどんなに少なめにワックスをつけても洗う前にはどうしても髪の毛に重さを感じていたのですが、これは軽い〜!“なんか髪の毛についてる感”がありません。髪の毛が細すぎて普通の人よりもワックスの重さを感じるんだと思います。ワックスつけるとより絡みやすくなるし使うの好きじゃなかったけれど、これを使い始めてからもう他のもの使えないと本気で思える細い髪の毛さんに全力でおすすめしたい最強軽量ワックス。
アロマティックウッディの香りも最高なんですよね、ヘアプロダクトにありがちな甘くて可愛らしい香りというよりはユーカリとかゼラニウムとかを感じるさっぱり系。サンダルウッドも入ってるから深みもあってただの爽やか系でもなく、ほんのりパウダリーっぽい甘みもある。この香りのシャンプーとかあったらいいのに〜。

少量を手にとって手のひら全体と指も含めてよーく伸ばします。溶かすように手にワックスのベールを広げる感じ。ここがポイント。そこから毛先に馴染ませたあと全体に軽く、根本からフワッとなるように。全体に軽くつけると結んだときもいい感じで毛束を引き出せます。おでこの産毛も最後に押さえます。最初は固めのバームなので朝とか急いでて手によく伸ばさないままつけると「あれ?発泡スチロールの欠片みたいなのがついてるよ?」と言われます。(2回あった) 肌にも使えるバームなので手のひらに伸ばしても変にベトベトしたりしません。とはいえ手は洗っちゃうけど。もうヘアワックス迷わない宣言。ずっと使い続けるから大容量サイズも出てほしい。
 

[Aesop]アンチ オキシダント トナー

いつのまにかAesopの信者になった私。PARSLEY SEEDラインが好きで化粧水・乳液・クリームを使ってます。一番なくなったら困るのがこのトナー。Aesopの化粧水の中でも一番しっとり系らしく、夏場に買いに行ったら止められて違うものを進められました。季節的にはそうするのがいいんだろうけど、どうしても切らしたくないくらい好き。最初サンプル使った時は「これは独特な香りダネー」とちょっと引き気味だったのもすっかり忘れてもはや中毒。主要成分にラベンダーの茎とあるので、ちょっと青臭い香りなのかな〜。私はすごく落ち着く香りで大好きです。BOBBIのクリームのあとにAesopのトナーは欠かせない朝晩の週間。一般的な化粧水だとすーぐ乾いちゃって肌がつっぱってフタをしないと乾く〜と焦ってしまうけれど、この組み合わせはそんなつっぱった自分も忘れます。Aesopは路面店の前を通りかかると必ず入ってしまう場所。あの雰囲気と香りで邪念を払い落としてくれるような気がする。信者なのでニュースレターもしっかり読んでます。Aesop好きすぎてAesop部屋とか作ったひといないのかな。壁面一体に薬瓶並べたいです。これは化粧水というよりもはや安定剤。できれば2〜3本ストックしたい。
 

[ほぼ日手帳]Hobonichi Techo Planner 2019

手帳をリピートするなんて初めてのこと。それくらいお気に入りのARTS&SCIENCEのソニア パークさんがディレクションした手帳。去年購入したときの記事はこちらからどうぞ。何もかいていないページが続くときもあったけど、自分らしい手帳になったなと思えたので迷わず購入。一日一ページの仕様だけど日記のようなものを書かないというルールが良かったみたい。マイナスな気持ちも一切書いてないから手元に残しておきたい手帳になりました。来年はもっと興味やアイディアに溢れてページが埋まるといいなと思います。

 

もう2019年の手帳まで購入してしまって、2018年もあと一ヶ月ちょっとで終わってしまうんだなと今年はなんだか不思議な感覚です。いつも年末は「あっというまだったな〜年々あっというまになるな〜」なーんて思ってましたが、今年はすっごく長かった。去年の今頃のことなんてもはや3年くらい前のよう。色々と変化が大きくて自分自身が起こした行動とはいえついていくのに必死でした。とはいえまだ気を緩められないイベントがいくつかあるので、なにもかも良くなると信じて突き進もうと思います。そんな私に欠かせない5つのリピートアイテムたち。
 
 
 
※BOBBI BROWNは楽天の公式サイトで購入しています。正規品という安心かつ楽天のポイントもたまるのでうれしい。おすすめです。

ボビイ ブラウン インテンシブ スキン セラム ファンデーション SPF 40 (PA )【ボビーブラウン BOBBI BROWN ボビィブラウン ボビイブラウン】

価格:7,452円
(2018/11/23 13:53時点)


 
 

「身の上話」佐藤正午

 
「身の上話」 佐藤正午
 

“あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつうわさが広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選、巻き込まれ、流され続ける女が出合う災厄と恐怖とは。”
 

秋めいてくると少しくらい夜更かししてでも小説の世界に浸りたい、ということでいくつか読んだりもしてみたけれどいまいちフィットせず、そんなときこそ佐藤正午さんを読むタイミングだと思い、「身の上話」を手に取りました。
出張で来ていた不倫相手が家に帰るタイミングでフラッとついていったまま逃避行を始めたようなかたちになってしまう女性、その直前に同僚に頼まれて買った宝くじがまさか一等の二億円当選、そこから欺瞞に満ちた日々を色付ける人間関係のもつれ、突発的に起きてしまう殺人、作為的に遂行される死体遺棄、誰がどこまで何を知っているのか?大金が狂わせた現実と流され翻弄され続けた女性の話を、彼女の夫である男性の独白形式で淡々と進んでいきます。
佐藤正午さんの小説の題材はいたってシンプル。奇を衒う登場人物やフレーズで惹き付けようとなどとは一切しません。無駄な小難しさやおしゃれさなんかも皆無。ごくプレーン。だから“宝くじが高額当選したら人生狂った”という常套句のようなあらすじもどう形を変えて差し出されるのか、ゆっくり読み進めよう〜などと悠長なことを言っていられたのも束の間、一日で読み終えてしまいました。久々に見たAM 2:30という表示。興奮冷めやらぬままのエントリです。

本屋さんに行けば小説という類はたくさん並んでいて、その中の一部に「身の上話」も当然含まれているわけなんですが、佐藤正午さんの本を読むたびいつも感じるのは「これは小説の域を越えている」ということ。いや、定義としては同じなんだけれど、巧妙すぎるプロット、圧倒的な文章の気品と体力、そこに繊細さがあり、尚且エンターテイメントとしての興奮を読者の中から湧き上がらせてくれる。植え付けるんじゃないんです。ふつふつと自分の中から湧き上がるのを感じる。何もかもがあまりにも計算されつくされていたことに読み終わったあとに気づき、言葉を失いました。
佐藤正午さんの小説は無駄がない。いっけん、無駄と思わされるような話のつなぎ方だって読み手の感情の波をコントロールしているにすぎないのです。なかなか先が見えなくてモヤモヤする気持ちも、きちんと回収してくれる。夫が妻の身の上話をしているのにどうも淡々としすぎている、という僅かな疑問も、読んでいて登場人物の誰にも感情移入が出来ないことも、最後全て解消します。ああだからこんなにもトーンが抑制されていたのか、と知ったあと、今まで誰にも感情移入できなかった反動で一気に語り手である夫に注がれる。そこからのラストシーンは見事、見事すぎて驚愕。体操選手がクルクルと宙で何回転もしたあとに着地のために揃えられた両足がまっすぐ地面に吸い込まれて一ミリもずれることなく、ピタッと微動だにしない着地を決めたのを見てしまった、という感覚。

今の時代の流行りとは真逆で奇抜さはなく犯罪としてはあまりにも簡易的な演出、だって第一の殺人はフライパンで殴ってる。けれども対比が美しい。幼い頃、妻の母が協会で祈りを捧げるシーンは胸にくるものがあるし、ふとした会話のなかで出てくる「犯罪者のこころに時効はないんだよね」という妻の台詞。けっこう痺れます。みんな何かを背負っていて、罪を許されたいとどこかで葛藤しながら心に秘めたまま日常を遂行している。妻・ミチルはどんどん流されていき居場所を見失っていく。販売所から一等が当たったと知って詰め寄ってくる宝くじを頼んだ同僚のおぞましさ。ミチル自身がそこまで追い込まれ萎縮してしまうほどの罪を、犯したのか?という疑問も、きちんと収束します。ただ、罪の意識がないまま人を殺していき周りを巻き込みミチルを追い詰める竹井という男に対しては、こういう人は対象にする獲物を変えて同じことを繰り返すんだろうなと一種の不快感はありました。一般的なモラルがなく、罪悪感を持つ機能の欠如、自分が正しいと信じてやまないタイプ。けれどもそんな不快さを蹴り散らすようなラスト、夫の決断にミチルに対しての深い愛を感じる最高の読後感を手に入れました。

華美な粧飾、小手先の感動、薄っぺらな文章、奇特さで誘き寄せる手法、それらはここに存在しません。例えるならば、荘厳な雰囲気のなかへ心地よく迎えられて、きちんとしたお品書きを与えられ、完璧なタイミングで料理がサーブされ、目新しいメニューではないのに常識を覆すような美味しさで、ふいに鼻から抜ける香りに箸が止まってしまったり、何かを思い出したりするような懐かしさも漂わせたり、クライマックスに辿り着くまでのお腹の容量までコントロールされ、何がメインかということも明らかで、食べ終わったあとの余韻まで何もかも演出されているような、全てにおいて質の高さを感じさせられるお店のような小説。
緊張の糸が片時も緩むことがなく、けれども張り詰めすぎて切れてしまうこともなく、最後まで繋がり走り続けた、誰かにとっての日常が広がっていました。

大金を所持してしまうことによって狂わされる人間の性質、こちら側の息をするタイミングまで見計らっているような緻密に仕組まれた背筋がひんやりするミステリー、それから圧倒的な構成力。巧妙で繊細な文章からしか感じられない物語を読むことの喜びに、恍惚感で満たされました。
どんな言葉を並べても足りないくらい、素晴らしく芸術的な小説です。

 

身の上話 (光文社文庫)

 

無印良品週間 2018/09

9/29から始まった無印良品週間、今回は狙っていたものがいくつもあったので、充実したお買い物が出来ました。買ったものをざっとまとめます。

1.あたたかファイバー厚手毛布・S/ライトグレー

毎年買い換える毛布、今年は新色のライトグレーにしてみました。肌触りが最高、スルスルで気持ちいいし暖かい。これが今回の無印良品週間の目玉。もういつ寒くなっても大丈夫。

 
2.オーガニックコットン高密度織ボックスシーツ・SD/オフ白

シーツの予備。ちょっと光沢があってホテルのような雰囲気になるのでこのシリーズで揃えています。これは売り切れるの早かった。安く買えて嬉しい。

 
3. 磁器歯ブラシスタンド・1本用 グレー

歯ブラシ以外にも色々使えるスタンド、Aesopのハンドクリームを入れてみたらなんとぴったり。きれいに立った!別アイテム用に買い足しました。ガラスと迷ってグレーに。

ラックの中で倒れがちになっていたAesopのマスクがきちんと立ってます。地味にすっごく嬉しい。ちなみにBOBBIのクリームは蓋が入りませんでした。Aesopとの相性がとにかく最高。Aesopのアイテム使ってる人へは本気でおすすめしたい歯ブラシスタンドの使い方です。

 
4.ハンドクリーム ネロリ

すっきりさっぱりのネロリの香りでベタベタしないハンドクリーム。仕事中の気分転換に。ネロリシリーズはボディオイルとボディソープも愛用。ネロリが好きみたい。

 
5.薬用入浴剤・ミルクの香り(詰替用)

この入浴剤シリーズは何種類か常備していて、今回はミルクを買い足し。普段あまり甘い香りは好まないけれど、そろそろ寒い季節だし、このミルクはおいしい香りで大好き。入浴剤用詰替ジャーに入れ替えてます。切らさないようにしているのはレモングラスとひのき。両方ともスッキリした香りでオールシーズンおすすめ。ミルクの柔らかい甘さは寒い時期限定。

 
6.綿混あったかUネック八分袖シャツ

化学繊維系のインナーだと乾燥してかゆくなってしまうことに去年気づいてから綿混のこちらにチェンジ。今年用に買い足し。袖口からはみ出ることもない八分袖と適度に空きのあるネックラインも着るものを選ばなくて最高です。

 
7.レモングラスグリーンティー 14g

会社でよく飲んでるレモングラスグリーンティー。午後の気分転換に。頭痛にも効く気がします。

 
8.ステンレスひっかけるワイヤークリップ

色々なところで見かける万能ワイヤークリップ。

うちでは洗顔フォームと歯磨き粉を吊るしてます。けっこう重いはずなのに全く落ちません。すごい。きれいに整列してくれるし、スペースも有効活用出来てかなり助かってます。

 
9.ステンレススパチュラ

クリームはスパチュラ派。よくある付属のプラスチック製のものより断然こっちをおすすめ、気分も違います。長く使えるし、クリームの衛生面も考えるとあったほうが便利。

 
10.洗顔用泡立てネット

もう何年使っているか思い出せないほど泡立てネットといえばコレ。一ヶ月に一回は交換しているので買い足し。シンプルで安い、最高。何度も撫でて潰すようにこねるときめ細かいこってりした泡が出来ます。多分これからもずっと使うアイテム。

 
無印良品週間は10/8(月)まで!(ネットは9日の午前10時まで)
まだ間に合うので気になるものがある方はこの機会に是非〜
無印良品愛好家なのでまた定期的に更新します。

 

何者にもなれなかった私へ

15歳の頃の話。「あの高校に受かったら髪の毛染めていいから」と言った母の言葉を信じ、中3の夏に部活を引退してからものすごく勉強して無事志望校に合格した。もっとなにかあっただろうと思うけれど私を頑張らせたのは髪の毛を染めたい、受かったら染めていいという小さな自由だった。癖毛で絡まりやすい髪の毛が好きになれなくて、茶色くしたら少しは変わるだろうと思っていた。滑り止めで受けた私立は校則がものすごく厳しい上に制服もイマイチだし、どうしても通いたくなかったのでひたすら勉強した。そうして合格がゴールだった私はすぐ髪の毛を染めファッション誌を読み漁り、勉強なんて一切しなかった。今までのようにテスト前にちょっと復習したくらいじゃ追いつかず、気がついたときには信じられないくらい理解出来なくなっていて、私はその事実を受け止められなかった。そりゃそうだ、勉強が得意な人たちが毎日どんどん学んでいく横で勉強が特に好きじゃない私が遊び呆けていたのだから。
16歳の私は挫折を認めることが出来ず、勉強することをやめた。もうこんな思いはしたくない、学歴なんて関係ないクリエイティブな仕事がしたいという理由で逃げた。ほどほどに頑張って真ん中あたりを目指すとか、下の方でも落第しなければいいじゃんとか、そもそも元気であれば大丈夫などと「出来ない私」を許してくれるような環境ではなかった。大きな期待を背負っていたんだと思う。周囲が優等生じゃなくなった私にがっかりしていることはわかっていたし、好奇の目を向けられていることが耐えられなかった。そして誰よりも自分が自分にうんざりしていた。でもきっとそれを認めたくなかった。だから逃げるように東京に出てきたのが18歳の春。

専門学校に行ったり色々目指そうと頑張ってはみたもののどうも的を得ず先が見えなかった。そのことに疲れてしまい、一度全部やめようと決めて就職することにした。未経験でギリギリ探せるくらいの年齢だった。やったこともない仕事で目が回りそうだったけれど、自分のデスクがあり名刺やアドレスを与えられ給与からの天引きも含め組織に属しているという安心感を初めて知った。数年がすぎた頃、消化しきれていないアパレルの仕事がしたいという思いと、単調な仕事とどこにでもある組織のいざこざに個人的な感情が自分の中で膨らみ上がり、体調を崩した。いくつもの病院へ行き、科をたらい回しされたり、よくわからない検査も山程受けた。あの時期のことは正直思い出したくない。誰とも苦しさを分かち合えず、一人で戦っていた。孤独だった。一日が長く、憂鬱だった。
それからどうにか復職したものの、気力が持たずに結局退社し、アルバイトなどしながら数カ月ぼんやり過ごした。新しい環境は色々紛らわしてくれるけれど、慣れてしまうと退屈になってしまう。どうにかしなければと探し始めた矢先、アパレルのメーカーで働くことが決まり飛び上がるほど嬉しかった。だって自分の担当にはセレクトショップの名前があり、大手百貨店から電話がかかってくる毎日。誰も見ていないところでにやけてしまうくらい、その世界に触れていることが唯一の喜びだった。

とはいえ人間の欲はとめどなく、自分がこの世界で本当にやりたかったことは今やっていることじゃないし、夢を叶えている人たちが羨ましく、私はどうしたらいいんだろうという不安の渦にはまり、また具合を悪くした。月曜から金曜までという範囲ではなく、もはや朝からしんどくて夕方までもたないという生活が続き、もう組織で働くのは体力的に無理だと考えて退社した。セレクトショップの人から自分へ電話やメールが来なくなるということが寂しかった。どうしてもアパレルの世界にいたかった。

そこからはアルバイトをしつつ、の生活だったのだけれど、ふいにチャンスが舞い込むことになる。そうだ、こういう仕事がしたかったのだ、私はここに辿り着くまで今までの様々なことがあったのだ、無意味にしたくなかった我慢の結果がここなのだと信じ、心から真剣にのめり込んでいった。違和感は最初から感じていた。けれどそんなのも無視した。長年夢見た世界でしたい仕事をようやくしているんだから、そんな小さな違和感なんて関係ない、と強気に振り払った。やりたかった仕事に関わっている自分をどうしても肯定したかった。楽しさや喜びだってもちろんあった。それでも違和感は日々大きくなり、いつしか負荷を与えるものになっていた。どう考えても傷ついていたし、間違っていたのにそれを認めてしまえば夢も手放すことになる。だからどうにかこうにか誤魔化すために色々試した。自分の立ち位置を試行錯誤し、どう振る舞えば自分が認められるのかを考えた。さも楽しげに満たされる自分を演じ、バカなふりをすることでだってバカだから仕方ないんだと自分を納得させたりもしていた。誰かに相談してしまったらバリアが壊れるというのがわかっていたので、いつからか誰にも相談出来なくなっていた。誰に牙を剥かれてもいようにいつも身構えていた。決定的に体調は壊さなかったけれど、不眠がひどくなり、眠れても気味の悪い夢ばかり見た。ずっと走って走って苦しくてやっと辿り着いた広場にはびっしり虫が並んでいて飛び起きたこともあった。認めたくなくてもそういう現実だったんだと諭されている気がした。それでもそんなはずないと信じていた。16歳の私が諦めさせてくれなかった。勉強も出来なくて、やっと憧れていた仕事につけたのに、それもやめるの?今逃げ出しても行くところなんてないよ?と問いかけてきた。もはやアパレルがどうのという域を越えていた。表面張力ギリギリで耐えていた。

限界というものは急にきたわけではなく、たった一滴で崩壊した結果だった。いつかはそうなるだろうなと薄々気づいてはいたけれど、このタイミングなのかとがっかりした。まだ何も成し遂げていないのに。混乱してパニックになった私は自分を責めることしか出来なかった。こんなふうになってしまってはダメだ、なにもかもが台無しになってしまう、ちゃんとしなければ、と泣きながら白々しい嘘を並べていた。過去の自分を肯定するためにはそうするしかなかったのだ。それも一時的な対処方法でしかなく、翌日も涙が止まらず呼吸がしにくくなり、寒気が止まらず顎が震えた。今までそんなことはたくさんあったけれど、今度は顔面が痙攣しはじめてしまった。これはもうダメだと認めざるを得ない状態だった。どうにかしなくてはとそこで初めて友人たちと父にSOSを出した。わずかに指先が迷っていたけれど、もうそうするしかないと奮い立たせた。つながるまでの数分は信じられないくらい空白だった。それでも連絡してしまったのだからどうにかなるわけにはいかないというただその思いだけでiPhoneを握っていた。
崩れた私に驚きながら辛抱強く話を聞いてくれた友人たちの優しさにどれほど救われたことだろう。メッセージは幾度となく読み直した。順調にうまくいっていると思っていた父は、私の様子に驚いて二日後には東京に出てきてくれた。あれだけ必死に頑張っていても、ダメになった時に支えてくれたのは日々私が何も提供していない人たちなのだった。みんな弱った私を価値のないものと扱わなかった。ただ心配してくれたし、みんなどこかで知っていた。私が言い出さなかったからそっとしておいてくれたけれど、無理していたのは一目瞭然だったようだ。

自分を苦しめるのはもうやめよう。そう決めてからはなにもかもが早かった。夢だったはずの仕事はあっという間に手放したし、逃げ出すようで多少気が引けたけれど無理して続けてもっと苦しくなって命でも落としていたらそのほうがよっぽど迷惑なはずだ。それに私じゃなければ出来ない仕事なんてここにはない。ずっと気づいていたことだった。父はゆっくり休めと言ってくれたが働いたほうがきっと気が紛れるだろうしそんなすぐに見つからないと覚悟していたので早々に転職活動を始め、5社に応募し2社面接まで辿り着いた。アパレルとは全く関係のない平穏なアルバイトもしていたのでそっちは続けていたけれど、就職するからやめたいということを上司に話した時に「なんとなくそうなると思っていました」と言われてしまった。やめて新しい環境へ行きたいという私の意志の強さを知りながら、「なんとしてでも引き止めたいからもう一度考えてください」という言葉をくれるような上司の元で働けたことが救いだった。そうだった、いつもここは誰も私を攻撃してこないシェルターのような場所だった。手放すことに不安はあった。けれど、もうとどまるわけにはいかなかった。

翌週に面接を控えた週末手前の3日で一人旅へ行った。どこか行きたいところがあるわけじゃなかったけれど、違うことがしたかった。旅の工程は気を紛らわしてくれる。それから一人旅っていうのは自分しかいないから自分がしたいことだけをする旅なのであって、自分の気持ちを最優先していいという素晴らしさを初めて知った。私は他の誰かの気持ちばかり気にして、自分の突発的に湧き出る感情なんてどこにしまっていたかも忘れていた。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。それでいい。
旅館の食事というシチュエーションも一人だと妙に特別なものだった。カウンターで店主のおじちゃんと話しながら食べた昼食もおいしかったし、いくつもソフトクリームを食べた(欲望に従って)。みんな優しかった。それから人のいない海へ行ってバカみたいに泣いたりもした。世界はこんなに広いのにと文章にすると聞き飽きたようなことを実感して、さらに泣きじゃくった。過去の自分が間違っていたと認めるのは難しいことなのだ。考えようによっては正当化出来てしまうし、頑なにそれでよかったんだと丸め込むことだって一つの方法だろう。でも二度と同じことを繰り返したくなかったから私は認めることにした。どんな理由があったにしても、こんなになるまで我慢してしまった私が間違っていた。帰り道は妙にスッキリして、なんだか早く東京に帰りたかった。

そして二日後に面接に行き、第一志望だった会社ではまず適性検査のテストをさせられて、これはダメだと半分笑いながら諦めたあとに面接したらアルバイト先の上司との面接を思い出させるような良い雰囲気でそう思えるところに入れたらいいんだけどダメだろうなと思いつつ、あまりすぐ次を探す気にはなれなかった。もう一つの面接は始まる前から帰りたくなるくらい合わなかった。
数日後、やはりやめますという意志を伝えた時に上司は「応援します」と言ってくれて泣きそうになった。今までだって気持ちが揺れなかったわけじゃなかったので本当にやめていいのだろうかと改めて不安になった直後、電話が鳴って一社目から採用になったと伝えられた。手放せば入ってくる。タイミングが良すぎて他人事のようだった。それから今まで経験したことのないようなことばかりだった。丁寧に条件が提示され、分厚い上質な紙で採用内定通知書までもらってしまって私は途方に暮れた。提出する書類が多すぎてまだ面接が続いているような気がした。たった一ヶ月であまりにも変化しすぎている。そのことが怖くなったりもした。だから今度はまわりの人たちに話を聞いてもらった。心配性で臆病な私をからかいつつも一緒に喜んで励ましてくれた。みんな味方だった。おかげで入社日までの一ヶ月弱で、冗談のように体調とメンタルが回復していった。まさに本でも書けるかと思ったくらいだ。

人間の恐ろしいところは、スイッチを切るように何もかも洗いざらい忘れることが出来ないということ。あの頃からもう半年くらいたつけれど、未だにイヤな夢を見て飛び起きることだってあるし人の表情を気にして疑ってしまうこともある。そんなこともうしなくてもいいと頭ではわかっているはずなのに。それでも前よりは自分の気持ちをきちんと聞くようにしているし、もちろん楽しいことばかりじゃないけれど、比べものにならないくらい穏やかに過ごしています。

 
新しい職場はひどくきっちりしていて、コンプライアンスの徹底にもほどがあるだろうという教科書のような世界だった。規則の細かさはこれぞ日本の企業というイメージ。
入社直後はそんな余裕がなかったけれど、しばらくたつとまわりがどんな人たちなのか見えてくる。その時にふと思い出したのは、「あれ、この空気は高校と似ている」ということだった。みんな真面目で頭の回転が早く、学び続けることが日常で難しいことを淡々とこなしていていく。相手のことを詮索しないけれど気にはなる。横柄な人はほとんどいない。そして私が一番何もわからない。ああ、デジャヴだと気づいた時に不安がよぎった。私は進学校で叩き潰されて違う道を選択したのに、回りまわってまたわけのわからない資料と聞き取れない会話に冷や汗を流している。そして、また出来ない自分にがっかりしている。
これはどうするべきかとわりと真剣に悩んだ日。ずっと勉強し続けてきた人たちには絶対かなわない、開き直るか?それとも今から必死で勉強して少しでも彼らを目指すか?と悶々としていたときにふと「私は彼らのようになりたいのか?」という疑問が思い浮かんだ。そして答えは、彼らのように優秀になれなくても今の自分がいいかもな、というささやかな自己肯定だった。いろんな場面を乗り越えてきたからこそ思えた結果なんだと思う。そしたらひどく楽になった。15歳の私が見い出せなかった答えに20年かかってようやく辿り着けた日だった。なんだ、このままの私でいいんだ。

今は働き方も色々選べるし、なにが自分に合うかも選択出来る時代。私にとっては企業の中にいることが意外と働きやすいんだなと実感した。規律を乱す人に振り回されることがなくなった。今となっては社内できっと私が一番不真面目だ。けれど誰かに怒られるレベルではないし(多分)、仕事は出来る範囲で一応している(はず)。気難しく不器用な彼らのことはなるべく理解しようとはしているけれど、出来なくても大丈夫。少なくとも一ヶ月後は今より何かわかるようになっているだろう。自分の価値を疑う必要なんてこれっぽっちもない。他人の価値を握りつぶしてくるような人もいない。もしも影で私のことを笑うような人がいたとしても、今なら全然跳ね返せる。

何もかも失うと思ったけれど得るもののほうが大きかった。今回のことを記事にしようと思ったのは、今日もどこかで誰にも相談できずに我慢し続けている人がいるはずだから。あの時の私のように。いろんな人に話をして相談していればよかったと本当に思った。そうすればもっと早く自分で自分を苦しめていたことに気がつけたのに。だからもし今の環境で悩んでいる人がいたら、苦しい思いを抱えたまま破裂してしまうことのないよう、どうか誰かに聞いてもらってほしい。親しい人に話せなければ全くの第三者でもいい。一から説明しようとすると必然的に冷静になれるし、何が起こっているかが自分でもよくわかる。言葉にまとめて声に乗せて吐き出すと、思っている以上に毒素が流れ出すことがある。何かの責苦を受けている状態を当たり前にしないで。

色々間違えたし後悔もあるけれど、「でもあの時すごく一生懸命だったんだ」と言った私に、友人は「知ってる、だってすごくキラキラしてたもん」と返してくれた。そのことですごく救われた。頑張ってよかったんだなと思えた。今の状況だって数年後には変わっているかもしれないし、また選択を間違えてしまうことだってあるかもしれない。それでもいつだってひたむきに、自分のペースで進むことが必要なんだ。
誤解を招かないよう注釈をいれておくと、アパレルの仕事は想像以上に楽しかった。物作りに自分の意見が反映される喜び、出来上がったものに対する愛情、それを気に入ってくれた人たちを目の前にしたあの高揚感。だからここまで自分を引き止めてしまった。ただ残念ながら私の居場所ではなかったということだけ。歯車が噛み合わないままでは前に進めない。
それから自分を卑下することでバランスをとっていた私を変えてくれたのは、弱りきった私を前にしても態度ひとつ変わらなかった人たちがいたからだろう。ダメな私をさらけ出しても、がっかりされないことがこんなにも安堵をもたらせてくれるなんて知らなかった。そのことが私を強くさせた。もう何者にもなれなくても、大丈夫。

今回たくさんの言葉をかけてもらい、人の優しさと温もりを感じました。私もいつか誰かにとってそういう存在になりたい。恩を返すというのは多分そういうことなんだと思う。この感謝の気持ちを忘れずに、毎日ほがらかに、ゆるゆると生きていくつもりです。
ブログも生活が落ち着かずになかなか更新出来ませんでした。何かあると私は一番最初の記事をいつも読み返します。もう8年も前になってしまっているようで、驚いてしまう。変化はたくさんあったけれど、この頃から根本的にはあまり変わっていないと思う。もちろん今だってファッションが好きだし、本はいくらでも読みたい。昔のような文章が出てくるかどうかはもうわからないけれど、だいぶ疎かにしていた書くことも鍛えていかなくちゃ。またここで少しずつでもページを増やしていきたいな。

季節が変わる気配がするたびに満たされていない自分に怒りを感じ、同時に押し寄せる不安の波に飲み込まれ、抵抗することもいつしかやめてただ漂っていたような日々。うだるような暑さがようやく影に潜むようになり、風が含む湿度の明らかな違いを実感するようになったこの頃、たったそれだけのことでも嬉しくって笑ってしまう。こんなにのびのびと毎日を過ごせるなんて、想像もしていなかった。これからどうなるのかな。きっと色々あるだろうけど、どんなことだって乗り越えられる気がする。

やっと秋の存在が濃密になった夜に綴る、心が晴れるきっかけになった春のあれこれです。
何者にもなれなかった私へ、記録として。

 

【資生堂 ルージュルージュ ピコ】しょこら

和菓子にインスパイアされた資生堂のピコシリーズ。
デパコスアイテムを2,000円以下で買える上に毎月の限定品もあるなんて、してやられたりという気分にもなりますが一度気になってしまうと買わずにはいられません。だってちっちゃくてかわいくって。

私が購入したのはTwitterでも大人気だった2月限定の“しょこら”、第一弾は売り切れで買えず第二弾の入荷で購入出来ました。

その名の通り、ブラウンです。ショコラ色。こちらは口紅に重ねて色や質感を変えるチェンジャータイプ。
そのままサッと塗ると薄めのブラウンに色づき、少しだけ唇のトーンが下がるようなイメージ。なぜか青や緑のラメがいるのが少し気になりますが、塗ると目立たちません。上級者向けと意気込んでしまうようなブラウンがこんなに気軽に使えるなんて、ちょっと大人になった気分。

色味が出るように何度も塗ったところ。透けるブラウンとほどよいツヤ。なんで限定にしたんでしょうか…かわいい。
シアーなので時間がたてばそれなりに消えてしまいますが、唇がカサつくこともありませんでした。
本家のルージュルージュは4gで3,600円、ミニサイズのピコは2.2gで1,800円。この価格で試せるのは本当にうれしい!

「色々をちょっとずつ。」
このコンセプト、ずるいです。ちょっとずつあれこれ欲しい女心を鷲掴みシリーズ。
5月限定の“れもん”も気になるし、ネイルの“みなも”もかわいい。
魅力的な平仮名表記とこのサイズ感のバランスがぴったりすぎて、どんどん集めてしまいそう。
日本ブランドならではの色出しとネーミング。なんとも粋なシリーズです。