【ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男】

やっと見に行けた映画、「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」
エンドロールが流れた瞬間、「もうおしまい!?もっと見ていたい!!」と思ってしまったほど、あっという間に過ぎてしまいました。
「とりつかれている」と語るほどのストイックさに、だからこんなにも魅力的な独自の世界が感じられるのだと納得。美を突き詰めることだけではなく、スタッフへの優しさやチャーミングな振る舞い、インドに自ら作った刺繍工場で働く人々へ抱く責任感、愛犬との触れ合い、パートナーとの時間。あらゆることに全力投球しているという姿を見ることが出来るので、ものすごく贅沢なドキュメンタリー。たくさんのお花が咲き誇る広いお庭や、映画のセットのような素晴らしい家も見ものです。
「病的な完璧主義者」と自ら認め、過去のコレクションを振り返りながら酷評している一面も。今に満足することなく、常に上を上を目指しているという姿が本当に素敵でした。

ドリス・ヴァン・ノッテンというブランドは“アントワープの6人”としてざっくりとは知っていたけれど、いわゆるエレガントなイメージを持っていたような気がします。それが「着たい!!」と本気で思った2009年の春夏コレクション。

今見ても間違いなく好きですね…
このシーズン以降、コレクションの発表を心待ちにするブランドに仲間入り。

毎シーズン何かしら好きなんですけど、特にこれは!をピックアップしてみました。
2010年の秋冬。これは記憶に残っている人も多いのではと思います。

この上品で柔らかなオリーブ!当時ものすごく新鮮で感激したのを覚えています。
そしてカート・コバーンサングラスとチェックにやられた2013年の春夏。

普段チェックとか着ないのにこの素材感と絶妙な色味にやられて欲しい〜〜となっていました。白フレームのサングラスも冷静に考えたら絶対に似合わないはずなのに、ちょっと欲しい…かも…とか言っていたような。かっこいいし適度に力が抜けていて好きな世界観。

最後にここ数年の全てのコレクションの中で一番心打たれた2017年春夏。

右から二つ目のルックとか完成したとき痺れたんだろうな…と勝手に想像してしまうくらいの絶妙過ぎるコーディネート。メッシュとかチュールとか刺繍とかニットとかスカートとか、そして腕のまくりかたも靴の色合わせも。
このシーズンは動画を何度も見てしまうほど。ルックだけではなく、音楽やオブジェといった雰囲気も完璧にデザインされていて、エキゾチックなコレクション。
花が凍っているのも、それが溶けてランウェイに滲み出ているのもたまらないです。氷ごしに見せるターコイズとか本当にもう好きすぎて溜息。

店頭には何度も見に行って色々試着はしたのですが残念ながら買えなかったので、何年後かでも古着で見つけたら買いたい。ドリスのテキスタイルには色褪せない魅力があるので、そんな風に考えられます。

それから日本人のフラワーアーティスト 東 信さんが手がけた花を閉じ込めた氷の柱が並ぶランウェイ。
こういうダークな世界に映える最高のオブジェ。好きとしか言えません。
あと誰にも共感を得られなかったのですが、インスタで公開されていた氷が溶ける様子、これ泣きそうになります。
氷の角がなくなり、お花の彩度がどんどん失われていって、くったりと倒れ込み、床に同化していく。そして水分が蒸発していくときがものすごく悲しい。(この感情を誰もわかってくれないのも悲しい)

 

人の心をたえず動かすには誠実さと情熱が不可欠。そんなことを改めて勉強させられました。
好きになるにはれっきとした理由がある。
ドリス・ヴァン・ノッテン、めちゃくちゃかっこよかったです。

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